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民衆

民衆

民衆とはいったいなんだろう。ほんの十年前、ロシアや東欧で民衆が蜂起して政治形態を変えてしまった。4分の3世紀の長きにわたって実験されてきたマルエンの思想がもろくも崩れ去った瞬間だ。

民衆は不満だったのだ。配給所に届く食料は日増しに不足していき、たまに肉類があると長蛇の列ができた。
指導者は、間違ったのだ。民衆を東側陣営という檻の中に閉じ込め、政権批判をするものをどんどん強制収容所へ送った。

子供たちが持つ教科書は、いつも英雄伝と政権を称える抒情詩で溢れていた。子供たちは、目を輝かせて、そして雄弁に自分たちの指導者の歴史を語った。大人たちは困惑の表情を顔に表すが、無言で聞き入る。

彼らには短波ラジオやパラボラアンテナがあった。自分たちとまったく違う生活が目に飛び込んできた。豊かな食材、いっぱいの高級品が。「おい、俺たちの生活とまったく違うじゃないか。俺たちや俺たちの親たちは何をやってきたんだ」

情報が瞬時に国中に広がった。民衆のデモンストレーションがジョジョに拡大し、マルエンの壮大な実験が終わったのだ。そして、独裁者の体が街路に転がっていた。

ショウウインドウにはいっぱいの高級品が並ぶ。手が届きそうで届かない。「これじゃ、マルエンより酷いじゃないか」と叫んでいた。

60年まえ、東の果ての国で子供たちが教育勅語を暗唱していた。教師らしき男が暗唱できない子供の頭を叩いていた。子供たちは、必死で暗誦していた。「天皇は・・・・・」。

一人の兵士が洞窟の中で傷ついていた。「俺はもうこれで死ぬのだろうか。おれの人生とはいったいなんだったのだろう」。子供の頃の教室の情景が浮かんだ。「天皇は俺の親じゃないぞ。俺の親は俺の親だ」と叫んだ。だれもなにもいわなかった。隊長も・・・・。

兵士たちは短波ラジオもパラボラアンテナも持っていなかった。8月16日、部隊は最後の突撃をし、兵士たちは死んでいった、広島のことも、長崎のことも知らずに。

国民と国体を天秤に掛けた人が民衆に手を振っていた。民衆は喚起の声を上げて歓待していた。しかし、民衆は真実を知らない・・・・・。
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Author:fidelcastro002
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